敏感肌の方で、取り入れるとよいとされる成分を検索すると必ず出てくる”ヘパリン類似物質”。
皮膚科でも乾燥や肌トラブルの改善を目的に、ピンクのチューブで処方され、一時期人気すぎて手に入らない時期もありました。
最近だとコーセーさんから発売されている”カルテHD”が有名かと思います。

僕も敏感肌でも使えて肌トラブルが少しでも良くなるならと何度か購入したり、皮膚科で処方されて使ったりしたことがあります。しかし使用後は赤みが増したり、ニキビが悪化したりと何となく自分の肌には合わないなぁと思っていました。
もちろんニキビの悪化は生活習慣や食べていたものなどの影響も大きいのでこのヘパリン類似物質だけのせいではありませんが、少なからず関係はしているかと思って今回調べてみました。
そもそもヘパリン類似物質とは。
ヘパリン類似物質とは、
- 保湿効果…水分を保持する保水性がある。同様に保湿効果のあるヒアルロン酸やコラーゲンなどの分子が大きく肌の表面にとどまり保湿をする成分に比べて、角質層まで浸透しうるおいを届けるため高い保湿効果があるとされている。
- 血行促進…血液の流れを促進する。これにより皮膚の新陳代謝が促されターンオーバーの促進につながる。ニキビ跡や傷跡を治りやすくする。※ただし血が出ているような傷の状態やニキビ跡になる前のニキビがある状態での使用はお勧めできません。
- 抗炎症…肌荒れ等の炎症を鎮静する効果がある。
赤みをはらんだ肌に向いていないのか。
ヘパリン類似物質には血行促進作用があります。これによって炎症が抑えられたり、傷が早く治るわけですが、赤みをもともと持っている(慢性炎症が肌の奥でおこっている)肌では、毛細血管がすでに拡がっていて血流は多いのです。そのせいで肌が全体的に赤みを帯びて見えたり、こすると赤みがすぐ出てしまいます。
そこに血流を促進したらどうなるのか。なんとなくイメージができそうです。拡がったまま血流が増えればまた赤みを促進してしまう。その先に肌が安定するかもしれないですがそこまで化粧品レベルでは難しいかと思います。
なるほど、肌が揺らいでいる方や乾燥が気になる方には良い成分ですが、慢性炎症で毛細血管が拡がっている状態の肌で使うと良くない場合もあるということかもしれません。
他の保湿成分との違い。
保湿剤には大きく分けて、『エモリエント』と『モイスチャライザー』の2種類があります。
- エモリエント…皮膚に浸透しない保護剤。皮膚の表面を覆い水分の蒸散を防ぐ。例)ワセリンなど
- モイスチャライザー…角質層に浸透する保湿成分が入った保護剤。角質層に浸透して水分を引き寄せ蓄えることで肌の乾燥を防ぐ。例)ヘパリン類似物質、セラミドなど
ヘパリン類似物質はモイスチャライザーに含まれ1つ目にご紹介した効果を発揮します。
同じモイスチャライザーで僕も個人的に好きなセラミドとの違いは、乾燥がひどいときや皮むけがあるような状態ではヘパリン類似物質がおすすめで、日々の乾燥対策の保湿ケアにはセラミドがおすすめということらしいです。
ヘパリン類似物質は乾燥さん向け。
かゆみやカサカサが気になる肌が乾燥していて起こっている肌トラブルにはヘパリン類似物質が向いています。
炎症が起きていたり、赤みをはらんだ状態(肌の奥が炎症)の肌トラブルには他のセラミドや抗炎症成分のグリチルリチン酸などが良さそうです。
敏感肌向けの成分でも自分の敏感肌の状態と相談して。
『敏感肌でも使えます』や『肌トラブルにアプローチします』といった成分はほかにも多くあります。しかしそのすべてが敏感肌でトラブルが起きないということではありません。
今回のように僕にはヘパリン類似物質が合わないように、セラミドが合わない肌質の方もいらっしゃるでしょうしそこは自分のお肌と相談して試していくしかないのだと思います。
余談ですが、僕の肌はシカの鎮静成分も合わず…シカの成分が一時期流行ったときに色々試したのですがダメでした…。
合う成分が見つかるとそこからは安心してアイテムを選べるようになるかと思いますので、ぜひ色々と試してみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。また次の投稿をよろしくお願いします。
心にキラキラを。